風俗店が従業員に課した罰金や違約金、払わなくてもいいですか?

「風俗店の店長から、就業規則違反で違約金を払えと言われていますが、払わなくてはならないのですか?」
「遅刻や当日欠勤で高額な罰金を店から請求されています。どうしたらいいでしょうか」

こういった質問が法律事務所によくあります。

結論から言うと、払う必要はありません

「でも、店外デートや掛け持ち、スタッフ間の交際、風紀違反など、禁止行為をしたら違約金(罰金)を払う誓約書を交わしてしまったのですが本当に払わなくていいのですか?

といった疑問を持たれる方もいることでしょう。

そこでここでは、従業員はなぜ風俗店に罰金や違約金を支払わなくても良いのか、その理由を弁護士がわかりやすく解説していきます

全部読み終えるのに5分ほどかかりますが、法律に詳しくなくても理解できるように書かれています。もし読んでもわからないことや、もっと具体的に解決方法を知りたい方は弁護士に気軽に相談してみましょう。

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そもそも罰金とは?

罰金とはその名の通り、罰として支払わせるお金のことです。

デリヘルなどの風俗で本番をしても罰金を払わなくて良い理由で罰金の法的な支払い義務について詳しく説明されていますので簡潔に書きますが、罰金とは、国が国民に対して課す刑事罰です

「刑法〇〇条違反だから罰金刑」「速度違反で罰金〇〇万円」といった言葉を耳にしたことがあるはずです。

風俗店はただの民間企業に過ぎません。勝手に”お店ルール”を作って、違反した従業員に刑事罰である罰金を課すことなどできないのです。

そもそも違約金とは?

違約金(いやくきん)とは、「損害賠償額の予定」のことです。

民法第420条

3.違約金は、賠償額の予定と推定する。

では、損害賠償額の予定とはどういった意味でしょうか

例えば、デリヘル嬢のA子さんが、店を介さずに常連客のB男さんとラブホテルから出てくる現場をたまたま通りかかった店長が目撃したとします。

A子さんはB男さんとは何度も店外デートを重ねていたのに、「今日初めて会って、初めて店外デートした。ホテルには1時間だけ滞在した」と嘘をついています。

店を介さずに女の子が直接お客とやり取りしてしまうと店には1円も入ってきません。それが何度も続けば、本来店が得られたはずの多額の利益が損失となるでしょう。

しかし、損害賠償請求をするには、請求する側が「いくらの損害がでたのか」を証明する必要があります

つまり、これまでにA子さんがB男さんと店外デートをした回数や、計何時間の性的サービスを行ったのかを店が証明できなければ、実際に生じた損害額を賠償させることはできないのです。

A子さんが素直に全て白状すればべつですが、そうでなければ、今回のケースでは1時間分の店の取り分しか賠償請求できないことになります。

そこで登場するのが、「損害賠償額の予定(違約金)」です。

損害賠償額の予定とは債務不履行(契約違反)があったことさえ証明すれば、損害が発生したことやいくらの損害が出たのか(損害額)を立証しなくても、予め決めておいた賠償額を請求できるという制度です。

店とA子さんとの間で、「もし店外デートが発覚した時は、コンパニオンは店に対して30万円の違約金を支払うものとする」という契約を交わしておけば、店は「いくらの損害がでたのか」を立証しなくても、A子さんが店外デートをした証拠さえ掴めば、A子さんに30万円の違約金を支払わせることができるということです。

ただし、これはあくまでも【違約金(損害賠償額の予定)とはなにか】を説明するための、”例”にすぎません

ある法律によって、風俗店はキャストやボーイ・ドライバー等のスタッフに違約金を請求することはできないのです。その理由について下で見ていきましょう。

風俗店は従業員に違約金を支払わせることはできない

民法420条によれば、「違約金」を予め定めておけば、相手が契約違反したことさえ証明すれば、事前に決めた金額の違約金を支払わせることができるはずです。

しかし、以下の法律によって、風俗店は従業員に違約金を支払わせることはできません。

労働基準法第16条 (賠償予定の禁止)
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

風俗店の従業員は、使用者(社長)に労働力を提供し、その見返りに賃金をもらっていますので、労働契約(雇用契約)を結んでいることになります。

そのため、労働基準法が適用されますので、もし入店時に店と交わした契約書や誓約書、または就業規則に違約金のことが書かれていたとしても、同法違反として無効(最初からなかったこと)になります。違約金を払う法的義務は一切ありません。

店から業務委託契約だと言われたら?

風俗店がキャストやボーイに対し、「入店時の契約書を見ればわかるけど、店とアナタとの間では業務委託契約が結ばれているから、労働基準法は適用されないよ」「だから違約金は支払ってもらうよ」と説明してくることがあります。

業務委託契約とは、仕事を、外部の企業や外部の個人に委託(まかせる)契約のことです。

業務委託契約ということになれば、風俗嬢やボーイ・ドライバーはあくまでも外部の個人事業主という扱いになります。

個人事業主扱いということは、使用者と労働者といった主従関係がないことになりますので両者の間には労働基準法の適用はありません

つまり、契約書に定めておけば、風俗店は違約金を課して請求することができるのです。

しかしご安心ください。ほとんどの場合、単なる偽装請負・偽装委任(業務委託契約を装っただけの労働契約)として労働基準法が適用されます。さっそく次を見てみましょう。

実質的に判断される

業務委託契約だと店側が主張するのであれば、キャストやボーイは事業主として、店側と法律上対等な立場になります。

対等であるということは、キャストやボーイは風俗店から仕事のことで強く指図や命令されることもなく、勤務時間や勤務場所も指定されることもなく、就業規則にも縛られず、仕事で使う道具も自分で揃えていて、完全歩合給であるはずです。

しかし実際のところは、店からあれこれと指示され、シフトも組まれ、就業規則(風紀も含む)を守らされているはずです。ローションや大人のおもちゃ、ボディーソープなどの道具も支給されていることが多いでしょう。

また、ヘルスやイメクラなどの店舗型風俗では店に、デリヘルでは待機所に、決まった時間に出勤するように指示されていることがほとんどでしょう。

こういった状況であれば、もし契約書面に、「業務委託契約」と書いてあったとしても、実質的には労働契約と看做され、労働基準法が適用されます

労働基準法が適用されれば、店外デート、キャストと男性スタッフとの交際、店の掛け持ち、契約期間前の退店、風紀違反など、様々な理由をつけて違約金を請求されても、法律的に支払う義務はありません

給与から天引きされることはある

店側がいくら業務委託契約と主張したところで、実質的に主従関係があれば、労働基準法16条が適用され違約金を支払う法的義務がないことはお伝えしました。

しかし、労働基準法という法律は、なにも従業員だけに有利な条文だけではありません。以下の条文を見てみましょう。

労働基準法第91条

就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない

この条文では、就業規則で「減給の制裁」を定めることを前提にしています。つまり、就業規則に書かれたことに違反すれば、違約金を課すことは出来ないにせよ、給料を減額することはできることになります。

しかしご安心ください。給料の減額には上限が設けられています。

例えば、1日平均2万円を稼ぐ風俗嬢が、月に15日出勤したとします。1ヵ月の稼ぎは30万円です。

この場合、1回の減給額は最大で、1万円(2万円の半額)です。「そんなに取られるの?!」と驚く方も多いかもしれません。

しかし、1ヵ月での減給額は最大でも、1ヵ月分の給料の10分の1、つまり今回のケースでは30万円の1割ですから3万円が上限です。

「スタッフ同士の交際や連絡先交換は罰金100万円」「店外デートや掛け持ち発覚で違約金50万円」「1ヵ月前に退店したいことを伝えなかったから罰金50万円」、こういった取り決めを店と交わしていたとしても従う必要はまったくないのです。

あくまでも、就業規則に、「減給」についての規定がある場合にはそれに従えば良いことになります。

なお、「減給」ですので、給与から天引き(差し引くこと)のみが許されており、「今すぐこの場で制裁金を払え」と要求することは違法となりますのでその点も覚えておきましょう。

損害賠償を請求される可能性はある

既に解説したように、従業員に罰金や違約金の支払い義務はありません。払うとすれば1ヵ月の給与の10分の1を上限とする制裁金あることもお伝えしました。

しかし、罰金や違約金を支払う必要はないにせよ、キャストやボーイが就業規則や風紀に違反して店に損害が発生した場合は、損害賠償請求される余地はあります。

例えば、最初に例としてあげた店外デートのケースでは、キャストの女性が店から客を奪ったせいで落ちた売り上げが損害になりますので、店が損害を証明できた範囲内で賠償請求される可能性はあるでしょう

しかし、スタッフ間の恋愛や、他店との掛け持ちのケースでは、お店側に損害が生じるかは疑問です

仮に損害が生じたとしてもその損害(その他、因果関係や故意過失)を立証するのは極めて困難ですし、スタッフ側が支払いを拒めば訴訟を起こす必要があります。費用対効果を考えれば風俗店が訴訟を起こすケースはまず考えにくいでしょう。

また、入店時に、「辞める時は最低でも1ヵ月前には店に申し出ること」という約束をしていたとしても、風俗を辞めたいのに辞めさせてくれない悩みに弁護士が明確に回答でも書いていますが、労働契約(雇用契約)では2週間前に退店の意思表示をすれば良いと法律で定められています。

そのため、キャストやボーイが2週間前に退店すると店に伝えていれば、損害賠償請求は認められません。

罰金や違約金を請求されたら弁護士に相談

もし風俗店から罰金や違約金を請求されたら弁護士に相談してみましょう。

アナタのケースでは、業務委託契約なのか労働契約なのか、違約金や罰金、損害賠償の支払い義務が生じているのかといった法律的なアドヴァイスを貰うことができます。

また、悪質な風俗店であれば、法律を無視して、アナタを脅して金銭を取り立てようとするでしょう。

「罰金を払わないなら実家の親や学校に風俗勤務をばらすぞ」「逃げても追い込みをかけてやる」等々、残念なことにこのような被害が多く報告されています。

もし自分で対処できないようであれば弁護士に解決を依頼しましょう。

弁護士は国から代理交渉権という権限を与えられており、弁護士が介入すると、風俗店は、従業員やその家族、学校、昼の本業の勤務先等に連絡をすることを禁止されます

もしそれを破れば、弁護士が即刻、刑事告訴や民事訴訟の手続きに入ることができますので、店側は従わざるを得ません。

家族や勤務先、周囲の人に知られずに穏便かつ早急に解決を望むのであれば、当法律事務所にお気軽にご相談ください。親身誠実にあなたを全力で守ります。相談する勇気が解決への第一歩です。

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